売り手市場のIT業界。引く手あまたと思われるITエンジニアだが、言語によって需給バランスは異なるようだ。
アクサス(東京都新宿区)が、ITエンジニアが望む「理想の転職」と、採用担当者が保有している「実際の求人」について比較調査した。需要に対して供給が足りていない言語スキルとは――。
言語スキルについて、需要に対して供給が最も足りていないのは「JavaScript」で、需給ギャップはマイナス6.9%となった。一方「SQL」(11.9%)と「Python」(8.0%)といったデータベースを活用するスキルについては、供給が需要を大きく上回った。
同社は「ビジネスにおけるデータ活用が重要視されている昨今、データ抽出・加工ができるこれらの需要は高まっているため、将来的には求人の増加が見込まれている」と予測している。
業種別においては「プログラマー」の需給ギャップが最も大きくマイナス8.2%という結果に。プログラマー不足が明らかとなった。
大半の職種で需要が供給を大幅に上回っている一方で「プロジェクトマネジャー」(4.0%)と「ITコンサルタント」(3.4%)は供給が需要を上回り、求人の競争倍率が高いことが分かった。
業界別では「物流・運送」の需給ギャップが最も大きくマイナス8.0%となった。「資源・素材」(マイナス7.8%)が僅差で続いた。IT化やDXがさまざまな業界で推進され、これまでエンジニアの求人数が相対的に少なかった業界でも、ポジションや規模が拡大していると考えられる。
工程については「プログラミング(製造)」(マイナス12.7%)と「システム移行」(マイナス12.1%)といった製造工程・下流工程において、需給ギャップが大きい結果に。実務担当者の確保が課題となっていることが分かった。
一方で「要件定義」(5.5%)や「提案・プリセールス」(3.9%)といった上流工程では供給が上回った。市場では下流工程が求められる中、上流工程を望むエンジニアが多く見られる結果となった。
エンジニアに自身の市場価値を尋ねた。その結果、最も多い回答は「技術スキルの汎用性」で32.8%に上った。また、採用支援担当者に、仕事の紹介が難しいと感じるエンジニアに不足しているものを尋ねたところ、エンジニア同様に「技術スキルの汎用性」(32.7%)が最多回答に。
同社は「エンジニアと採用支援担当者のそれぞれが考える『技術スキルの汎用性』に乖離があると考えられる」と分析している。
調査は8月26日〜10月5日にインターネットで実施。エンジニア1031人、人材紹介会社のエンジニア採用支援担当者1004人から回答を得た。
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