「指示通り頑張っているけど、つらい」 やらされ感がぬぐえないとき、どうしたらいい?仕事を楽しむための「セルフリーダーシップ」入門(2)(2/3 ページ)

» 2023年12月18日 07時00分 公開

「価値観とつなげる」と「スタイルを生かす」

 自分らしさを発揮する方法として、2つのスイッチを紹介します。まずは、自分が仕事において何を大切にしていきたいか、何に情熱を傾けられるかを認識し生かしていくこと=「価値観とつなげる」です。

 価値観を自覚することで、今やっていることと大切にしたいことのつながりを探ることができ、その小さなつながりを大きくしていくことで、同じ状況でも、より前向きに取り組めるようになります。

 もう一つは、自分の強みと無理なく自然にできるやり方を知ること=「スタイルを生かす」です。

 それらを今の状況に取り入れ生かしていくことで、自分本来の力が出せるようになり、困難な状況でも足が止まらずやり続けられるようになります。

 例えば「人に貢献すること」を大切にしたいのに、希望ではない営業部門に配属され、毎日ひたすらアポイントとりの電話をかけることや、数字を追うことに意味を感じず、やる気が出ない場合を考えてみましょう。

 一見、自分の大切にしたい価値観とはかけ離れていると感じ、異動希望や転職が頭をよぎるかもしれません。ここで自分からつながりを見つけようとし、強みや得意なスタイルを仕事に取り入れることで、より良い状況にしていける可能性が高まります。

 受け身でいると見えづらいことも、ちょっとした努力やアクションで、行動の意味や、前向きにできる理由が見つかるものです。このケースでは、以下のようなアクションをしてみると、いい発見につながるかもしれません。

  • 同じ環境の中で、いい仕事をされていると思う上司や先輩に話を聞いてみる
  • お客さまに貢献するには、何が必要か、どんな行動をすれば良いかを考える
  • 営業活動以外にも、今の職場で自分が貢献し役立てることは何か探してみる
  • アポイントとりや提案活動において、自分の得意な方法を取り入れてみる

 私自身も、営業職時代にとにかく行動量で数字を上げるという当時の伝統的なスタイルが非常に苦手で苦しみました。そんな中で、学生時代にやり遂げた経験の振り返りなどから「狭くとも深く入り込むのが自分流だ」と得意なスタイルを再認識し、今でいう企画提案型のスタイルに切り替えてから、強みが発揮でき結果も出るようになった経験があります。

 最初は、スタイルの違いから上司や先輩に受け入れてもらいづらいこともありましたが、前より前向きに取り組んでいる姿や、少しずつですが結果が出たことで、受け入れてもらえるようになりました。

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