東北や北関東を地盤とするラーメンチェーン「幸楽苑」は、10月のメニュー改定で値下げを行った。11品目を対象に20〜70円の値下げを実施しており、その他商品については価格を据え置いている。
中身を見ていくと、大きなチャーシューが乗った「プレミアム醤油・プレミアム味噌・プレミアム塩」の3商品は830円から760円へと70円の値下げ。「みそバターコーンらーめん」「しおバターコーンらーめん」も760円から690円へ同じく70円の値下げとなった。好きなラーメンとギョーザ、チャーシュー丼などを合わせられる新規セットメニューは実質70〜150円の値下げとなる価格設定を打ち出した。
幸楽苑は期間限定のキャンペーンでも大幅な値下げを実施していた。9月実施の創業祭に続く第2弾のキャンペーンでは11月1〜10日に、午後3時以降限定で「ディナーセット」を特別価格にて提供。A・B・C・Dの4セットがあり、チャーハンとダブルサイズの餃子、スープなどがついたBセットの特別価格は590円と、単品で頼むより450円もお得になっている。4セットでは、それぞれ400〜520円の実質値下げとなった。
しかし、ゼンショーHDと違って幸楽苑の値下げは苦肉の策といえそうだ。コロナ禍以前から不採算店の閉鎖を決め、規模縮小が既定路線だった幸楽苑HDの業績は年々悪化していた。19年3月期から23年3月期の業績は次の通りである。
売上高:約412億円→約382億円→約265億円→約250億円→約254億円
営業利益:約16億円→約6億円→約▲17億円→約▲20億円→約▲16億円
店舗数:533→482→454→440→431
今期の売上高は約265億円を予想し、営業利益も薄利だが約5000万円と黒字化を見込む。そうした中での値下げは、ギリギリの判断だったとうかがえる。
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