日立が「片側空け」を抑止するエスカレーターを開発、仕組みは?夢洲駅に設置

» 2023年12月26日 10時56分 公開
[熊谷ショウコITmedia]

 日立製作所と日立ビルシステムは、「エスカレーターの片側空け」を抑止する新機能を搭載したエスカレーターを開発した。

 2025年大阪・関西万博の開催に合わせて、24年度に開業予定の北港テクノポート線の夢洲(ゆめしま)駅に設置する予定。LEDを活用して2列利用への誘導と安全面の注意喚起を行うことで、「片側空け」での利用と歩行を抑止し、安全利用の実現と輸送効率の向上を図るとしている。

「片側空け」抑止機能を搭載したエスカレーターを開発(出典:プレスリリース、以下同)

LEDによる誘導で人の滞留を抑止

 夢洲駅は、Osaka Metro中央線を延伸する形で整備が進められている北港テクノポート線の新駅。大阪・関西万博会場の最寄り駅であり、万博開催期間中は1日約12.6万人が同駅を利用する見込みとなっている。

 2分半間隔で電車が到着し、多くの来場者がホーム中央の3台並列の上りエスカレーターを利用することが想定されることから、ホーム内の人の滞留を抑止し、スムーズかつ安全にエスカレーターを利用できる仕組みが求められる。

 新開発したエスカレーターは、水平状態のステップ(踏み段)の踏み面に立ち位置を示す「乗り込み口LED誘導照明」、水平状態から階段状になる位置でステップのライザー(蹴上げ)にLEDを照射する「ライザーLED照明」、ステップの移動スピードに合わせてエスカレーターの両脇から照明を光らせる「スカートガードLED照明」の3点を新搭載した。

新開発したエスカレーターの特徴

 加えて、従来はオプションで提供している「カバープレート埋め込みLED誘導表示器」と乗り降り位置を知らせる「コムシグナル」を組み合わせることで、2列利用への誘導と安全面の注意喚起を行い、「片側空け」での利用と歩行を抑止する。

 夢洲駅に納入予定のエスカレーターは、3台を並列設置する予定。定格速度は毎分30メートル、階高は4921ミリ。

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