カタカナ・アルファベットへの社名変更が増加中、理由は?(1/2 ページ)

» 2023年12月31日 09時30分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 社名をカタカナやアルファベットに変える企業が増え続けている。今年4月には「日本電産」が「ニデック」へ、10月には「凸版印刷」が「TOPPANホールディングス」へと社名を変更した。海外展開の強化や事業内容との整合性が主な理由だ。その最たる例が来年10月に「カナデビア」へと社名変更する「日立造船」。日立グループでもなければ造船業でもない。実態とかけ離れた社名を変更し、新たな一歩を踏み出す。

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 「実際の事業と乖離(かいり)し、誤解を生む社名になっていた」。社名変更の理由について、日立造船の三野禎男(みのさだお)社長はそう話す。明治14年に造船業を営む「大阪鉄工所」として創業し、後に日立製作所の傘下に入り、昭和18年に社名を「日立造船」とした。以来、約80年にわたって同じ社名を使い続けてきたが、その間に企業としての実態は大きく変貌を遂げている。

 戦後の財閥解体で日立の資本系列から外れ、平成14年には不採算化していた造船事業を切り離した。今や日立造船はゴミ焼却施設建設の国内最大手で、「日立」も「造船」も関係がない。しかし、「日立造船という名前で積み重ねてきた実績や知名度があり、そこから離れづらかったのはあると思う」と三野社長が話すように、社名が持つ価値と実態との乖離という相反する要素の間で板挟みとなっていた。

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