トヨタの佐藤社長、認証不正の子会社ダイハツのあり方「踏み込んで判断」(1/2 ページ)

» 2024年01月06日 08時22分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 トヨタ自動車の佐藤恒治社長は5日、東京都内で産経新聞など報道各社の取材に応じ、車両安全の認証不正が拡大した子会社のダイハツ工業の問題について、「現場にわれわれも入り、現場で起きていたことが何なのかしっかり向き合って表に出していかなければいけない」と述べ、トヨタとして問題の原因を解明する姿勢を強調した。また、今後のダイハツのあり方について、事業領域の見直しなど「本質的なところまで踏み込んで判断していく」との考えを明らかにした。

 佐藤氏はダイハツの社外取締役を務めていた時期もあることから、「執行には関与していなかったものの、やはり管理する立場としては現場に対する理解度がまだまだ足りなかったと反省している」とした。

 不正を調査した第三者委員会は「トヨタの遠心力」という表現で、ダイハツへの生産委託の増加などトヨタの小型車海外展開を担う役割が、不正につながる過度な短期開発のプレッシャーの背景の一つとした。

 これについて、佐藤氏は「現場を追い込んでいった環境が何だったのか軽々には申し上げられないが、風土まで含めて(ダイハツと)一緒に解明していくことが大事だ」と指摘。その上で、「トヨタの遠心力という意味では、トヨタもダイハツの『リーンな(無駄のない)車づくり』のあり方に学んで自分たちの改善につなげるという思いを持っていたということもある。ダイハツに対し自律的な経営を尊重していた部分もあり、ある意味、われわれも現場に対する理解が足りなかった」とし、ダイハツの経営管理に対する踏み込み不足があったことを示唆した。

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