累積赤字14億円で運休の「坊っちゃん列車」 復活は?(3/4 ページ)

» 2024年01月11日 11時17分 公開
[産経新聞]
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存廃の判断迫られる松山市

 ところが、昨年9月に運休の報告を受けた市にとっては「寝耳に水」だった。

 野志市長は10月24日の定例記者会見で、「事前に運休の相談がなく、運行継続に向けて検討できなかったことは残念だ」と不快感を示した。その上で「坊っちゃん列車は松山の観光資源だ」とし、坊っちゃん列車のあり方を議論するため観光関係団体や学識経験者などを集めた「考える会」の設置を決めた。

photo 「坊っちゃん列車」の運休を告げる道後温泉駅の時刻表=松山市(前川康二撮影)

 12月18日に開かれた「考える会」では、出席者から運行再開を望む声も多かったという。しかし、示された巨額の赤字を前に市の関与を求める伊予鉄道の要望に対し、この日結論は出なかった。市幹部は「坊っちゃん列車の収支について説明を受けたのは運休が決まってからだった」と困惑した様子だった。

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