ワタミ「シンガポールの食品会社」を買収 なぜ?渡邉美樹「経営者目線」(1/2 ページ)

» 2024年01月17日 18時09分 公開
[ZAKZAK]
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 ワタミは昨年末、シンガポールの食品卸大手「リーダーフード」を子会社化するM&A(合併・買収)を発表した。世界中から食肉や鮮魚を仕入れ、シンガポール中の飲食店や、スーパーマーケットに加工・配達している企業だ。

 円安や、人口減少が課題となる中、海外事業の加速を意識した判断だ。将来的に国内、海外の売上比率を「50%」「50%」にすることを目指している。

photo M&Aしたリーダーフード経営陣と

 リーダーフードは、売り上げ100億円規模対応の新工場を持っていたのが一番の理由だ。循環型6次産業ワタミモデルの中でも、2次産業の加工工場は大きな意味を持つ。自社で手作りにこだわる工場を持つようになり、それが差別化となり、ワタミは国内でもステージが変わった。介護や宅食に参入するときも大きな優位性となった。

 さらにちょうど、アジアの拠点を香港からシンガポールに移そうとしていた。中国の一部と化した香港よりもシンガポールは、アジアの金融のハブで税の負担も少なく、政治も安定しており魅力的だ。リーダーフードは、世界中に160〜170の仕入れ先を持つ。ネットワークが一気に広がりアジアで店を広げていく上で、圧倒的に仕入れ力が強化された。

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