ダイハツ不正、下請けに影響広がる 「体力ない企業耐えられない」(1/2 ページ)

» 2024年01月29日 18時53分 公開
[産経新聞]
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 トヨタ自動車のグループ企業で不正が相次いでおり、問題による影響が収束の兆しを見せそうにない。ダイハツ工業の認証不正では、国内全4工場で稼働再開の見通しが立たず、自動車の生産に必要な部品や金型などを供給する企業に影響が広がる。ダイハツは直接取引のある1次下請け企業を通じて支援や補償を広げていく考えだが、関係企業からは「バケツリレーで下に回すため時間がかかる。体力のない企業は耐えられない」と不安の声が挙がっている。

photo ダイハツ工業の部品向け金型を製造する川中グループの川中洋二会長=大阪府門真市

 「予定されていた仕事がなくなったので、経営に大きな影響がある」。大阪府門真市で金型を製造する川中グループの川中洋二会長は問題の影響についてそう話す。

 ダイハツと直接取引のない2次下請けだが、ダイハツ関連の仕事が売り上げの約3割を占める。納品予定だった金型はダイハツの工場の稼働停止を受けて出荷できず今も保管したままになっているが、一番の問題は別にあるという。

 「ダイハツの新車種に合わせて仕事が入る予定だったがなくなった。作った製品は補償されても予定分までは補償されない。社員70人を食べさせるために急遽(きゅうきょ)仕事を取ってこないといけなくなった」と川中会長は話す。

 補償や支援がスムーズに下請けに行き渡るかどうかも課題だ。ある1次下請け企業の経営者は「下請け企業によって補償の範囲も事情も異なるので非常に時間がかかる」と懸念を口にする。

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