トヨタ自動車の佐藤恒治社長は29日、エンジン開発を委託しているグループの豊田自動織機の性能認証試験の不正を受けて東京都内で記者団の取材に応じ、顧客に大きな不安を与えていることを謝罪した。ダイハツ工業や日野自動車などグループ企業で品質不正が相次いでいる背景については「現場の変化に経営層がついていけていなかった」との認識を示した。
豊田自動織機によるエンジン不正の根本原因について、問題を調べた特別調査委員会は開発部門の現場と管理職の間に「明らかな断絶があった」(井上宏委員長)などと指摘した。ダイハツや日野自の品質不正の背景でも「上にものが言えない」など同様の風通しの悪い組織風土や現場と経営層の乖離が問題視されており、不正が発覚した各社には共通して、トヨタが重視する現場主義の経営が実効性をもって行われていなかった。
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