「大復活」のインバウンド消費 取りこぼさないために重要な「MEO」とは?(2/3 ページ)

» 2024年01月31日 05時00分 公開
[佐久間 俊一ITmedia]

 24年1月17日に観光庁が公表した、23年における訪日客の旅行消費額は5兆2923億円と過去最高を達成。ホテル・旅館業、飲食業、小売業、アミューズメント、交通(航空、鉄道、タクシーなど)を中心に好影響が継続していく見込みです。この商機を勝ち取るべくたくさんの取り組みが既にされていますので、ここでは一部をご紹介したいと思います。

開業以来初のリニューアルをした東映太秦映画村

 東映太秦映画村(京都市)では、1975年の開業以来初めて全面リニューアルを実施。第1期が25年にオープンし、28年に全面リニューアルを予定しています。インバウンド需要への対応を強化すべく、江戸時代の町並みを再現した屋外セットや温浴施設を新設するだけでなく、忍者ショーや伝統工芸プログラムを拡充します。このように、江戸時代の町を散策しているような体験提供を計画しています。年間では160万人の来場を目標とし、その25%に当たる40万人をインバウンドで見込んでいます。

中国最大級の口コミサイトを活用して集客を強化したジェイアール京都伊勢丹

 外国人が日本へ旅行する際、現地メディアで日本のことを調べています。例えば中国では「大衆点評」という口コミサイトや「小紅書(RED)」というSNSで多くの人が情報収集をしています。

 ジェイアール京都伊勢丹(京都市)は、大衆点評上でユーザーが作成した自社のページが存在し、口コミが集まっていることに注目。23年2月から自社で公式ページを立ち上げて情報を発信したところ、同年5月までの3カ月でPV数が約14倍にも増加したといいます。

 この他、意外なところだとスナックが人気を集めているようです。日本では当たり前の存在であるスナックも、海外からの旅行客にとっては珍しい光景であり、日本文化を体験する一つの価値になっているのです。

 独特のネオンサインや内装、カラオケがあること。さらに、海外では深夜までの飲食店営業を禁止する国もあるため、ナイトタイム自体が楽しみの一つになっているようです。日本の国内消費でもナイトタイムエコノミーは経済の活発化のために重要な位置付けとされており、今後は注目が集まります。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.