「大復活」のインバウンド消費 取りこぼさないために重要な「MEO」とは?(1/3 ページ)

» 2024年01月31日 05時00分 公開
[佐久間 俊一ITmedia]

著者プロフィール

佐久間俊一(さくま しゅんいち)

レノン株式会社 代表取締役 CEO

城北宣広株式会社(広告業)社外取締役

著書に「小売業DX成功と失敗」(同文館出版)などがある。

グローバル総合コンサルファームであるKPMGコンサルティングにて小売企業を担当するセクターのディレクターとして大手小売企業の制度改革、マーケティングシステム構築などDX領域のコンサルティングを多数経験。世界三大戦略コンサルファームとも言われている、ベイン・アンド・カンパニーにおいて2020年より小売業・消費財メーカー担当メンバーとして大手小売企業の戦略構築支援及びコロナ後の市場総括を手掛ける。2021年より上場会社インサイト(広告業)のCMO(Chief Marketing Officer)執行役員に就任。

2022年3月小売業と消費財メーカーの戦略とテクノロジーを専門にコンサルティングするレノン株式会社を設立。

2019年より1年半に渡って日経流通新聞にコーナーを持ち連載を担当するなど小売業には約20年間携わってきたことで高い専門性を有する。

日経MJフォーラム、KPMGフォーラムなど講演実績は累計100回以上。


 昨今、インバウンド市場が明確な回復傾向にあるのは、多くの方がご存じの通りかと思います。本記事では、今後のインバウンド対策において重要な点をまとめていきます。

回復傾向のインバウンド市場で「勝つ」ためのポイントは?(出所:ゲッティイメージズ)

 まず現状のインバウンドに関する数値を確認します。日本政府観光局によると、2023年12月の訪日外客数は273万人で、コロナ前の19年と比較し108.2%となっています。オリンピックを翌年に控えていた19年を上回る、驚異的な数字です。

23年は10月以降、19年水準と同程度に推移。12月には8.2ポイントも上回った
20〜22年と苦しい時期が続き、23年はようやく復活基調となった1年だといえそうな状況

 23年の累計では19年と比較して78.6%ですが、仮に12月の人数が1年間続いたと単純計算するとおよそ3280万人で、ようやくコロナ前の水準に戻ります。その実現の鍵を握るのが中国からの旅行需要の回復です。

 23年8月10日に中国で団体旅行の規制が解除されましたが、訪日旅行客は12月時点で19年対比が44.0%と、他国と比較して復調には程遠い状況です。19年対比で315.7%の韓国や126.8%の米国が目立っていますが、19年に1000万人弱が訪れていた中国人のボリュームには今後、期待が集まります。

今後、中国からの観光客に期待が集まる
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