おにぎり専門店の開業が相次ぐのはなぜか。
「最近の物価高で、コスパのいい食べ物としておにぎりが注目された。その一方で、事業者にとっては初期投資を抑えて出店でき、見た目や具材の組み合わせを工夫して付加価値を高くして販売することができたため、出店ラッシュにつながった」とおにぎり協会の中村祐介代表理事(48)は分析する。
実際、おにぎりの消費は伸びているようだ。総務省の家計調査によると、令和4年の2人以上世帯の米の購入額は年間1万9825円。10年間で約3割減った。ところが「おにぎり・その他」の購入額は右肩上がりで、令和4年は10年前に比べて約4割増の5172円で、調査開始以来の最高額だった。
そんなおにぎりの魅力は「外国の食材も含めて、どんな具材でも受け入れる多様性」と中村さん。確かに、サンドイッチに梅干しは微妙でも、おにぎりにツナマヨは相性抜群だ。
「自分のためではなく誰かのために握るのがおにぎり。思いをのせた料理として場面の記憶とともに残るもの、腹だけでなく心まで満たすもの、日本人のDNAに刷り込まれているものなんです」(中村さん)(田中万紀)
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