結婚相手を紹介する「結婚相談所」の倒産が相次いでいる。帝国データバンクが調査結果を発表し、2023年に発生した結婚相談所の倒産は合計11件で、過去最多を更新した。
結婚相談所の年間倒産件数が10件を超えたのは、今回が初めて。休廃業・解散の件数も11件で過去最多を記録し、倒産と合わせて22件の結婚相談所が市場から退出した形だ。
結婚相談所にとって、少子高齢化や晩婚化など多様なライフスタイルの定着に加え、オンライン上で恋人や結婚相手を探すマッチング(婚活)アプリの定着が大きな脅威となっている。明治安田生命が23年11月に発表した調査結果では、1年以内に結婚した夫婦のうち4人に1人がマッチングアプリを利用しており「職場での出会い」と同率で首位を獲得した。
結婚相談所もオンライン面談や婚活パーティーなど、リアルとデジタルを駆使した施策を積極的に行っている。しかし、イベントの告知などで多額の広告費が必要ながら、基本的なサービス内容では差別化が難しい。そのため、入会金や登録料などで価格競争が発生しやすいことも倒産が相次いだ要因となっている。
帝国データバンクは「アプリ利用者の急増に伴い、写真を巡るトラブルやミスマッチングも多く、身元が保証された会員同士を結ぶ婚活の在り方が再度見直されるなど、結婚相談所を取り巻く環境にも変化の兆しがある」とコメント。結婚意欲が高い利用者のニーズをとらえた出会いの機会をどう提供できるかが、結婚相談所の今後を左右すると分析した。
1月31日まで、負債1000万円以上の法的整理による倒産、および休廃業・解散となった企業を調査した。
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