仲介の「トケマッチ」が突如解散 “高級品シェアリング”サービスに潜む罠(2/2 ページ)

» 2024年02月10日 12時49分 公開
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 ネオリバースはリリースで、オーナーが預け入れた時計については、6カ月を目安として返却するとした。一方、ユーザー側の事情で返却が厳しい場合、「損害賠償の金額をお支払いさせていただく」とした。夕刊フジはネオリバースに問い合わせたが、応答はなかった。

 ネットを介し、個人と個人・企業などとの間で資産をシェアリングするビジネスは近年、注目を集めているが、高級品のやり取りには難点もあるという。

 消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏は「時計やバッグなどのブランド品の場合は、預ける側も小遣い稼ぎになるというメリットがあるが、高級品はレンタル時に別の物にすり替えられる可能性や、損壊、故障などの懸念があるなど心配な点もある」と話す。

 2020年には高級車カーシェアリングの運営会社が破産した。東京商工リサーチによると、経営不振にもかかわらずオーナーを募り続けていた。

 「貸し借りのバランスがとれないと成り立たない上、ブランド品には人気商品も殺到するため、預託品だけでなく自社で在庫をそろえざるを得ないという事情もあるようだ。すり替え防止対策などにかける企業側のコストも予想される。オーナーに定額で使用料を支払う場合、資金繰りもさらに厳しくなる」と松崎氏は話す。

 債権問題に詳しい高橋裕樹弁護士は「契約書に返還できない趣旨が明記されていた場合は、泣き寝入りするしかない。だが、仮に経営が悪化した状態でオーナーを募り続けるようなケースでは、詐欺の問題にも発展しかねない」と指摘した。

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