自治体DX最前線

ロボットを産業創出や防災対策に! 福島・南相馬市で進む新たな挑戦

» 2024年02月14日 16時00分 公開
[上間貴大ITmedia]

 「災害大国」と言われる日本。2024年初日には石川・能登半島地震が発生し、多くの被害を出した。年明けすぐの災害は、防災やまちづくりへの意識を新たにさせたはずだ。

ロボット 南相馬市役所 松本光平氏

 過去に大きな災害を経験し、復興に向けた取り組みを加速している自治体に福島県南相馬市がある。「東日本大震災と福島第一原子力発電所事故を克服し、復興を加速させる」ことを最重要項目と置き施策を進める同市。現在は「南相馬ロボット振興ビジョン」を掲げ、新たなまちづくりと産業創出に力を入れている。

 南相馬市が描く新たなまちの姿とは。本記事では、ITmedia ビジネスオンライン、ITmedia NEWS主催のオンラインイベント「デジタル戦略EXPO」(2月25日まで)の「自治体カテゴリ」に登壇した、南相馬市役所 松本光平氏の講演の一部を紹介したい。

ロボットをまちの力に!

 11年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とする巨大地震が発生した。東日本大震災だ。南相馬市も震度6弱を観測し、地震発生から約1時間後には津波が到達。その後、今なお大きな影響を与えている福島第一原子力発電所の事故が発生した。

 災害から10年以上がたった今でも、南相馬市の人口は震災前の基準には戻っていない。松本氏は「引き続き産業振興などを通じて、まちのにぎわいを増やしていきたい、という思いで取り組みを進めています」と話す。

 さまざまな課題に直面しながらも、復興に向けた歩みを続けている南相馬市。同市が新たなまちづくりの“相棒”に選んだのが「ロボット」だ。

ロボット

 現在福島県では、国家プロジェクトである「福島イノベーション・コースト構想」が進んでいる。東日本大震災や原子力災害によって失われた浜通り地域で新たな産業基盤の構築を目指す取り組みで、その拠点の一つである「福島ロボットテストフィールド」が南相馬市にある。

 福島ロボットテストフィールドは陸海空のフィールドロボット(※1)の使用環境を再現した実証フィールドで、日々多くの実験が進められている。「それ以外にも市内全域に、ロボットを実証しやすい環境を整備し、ロボットの社会実装に向けた取り組みを後押ししています」と松本氏は説明する。

 講演では、南相馬市内で実施したロボット関連の実証事例やその結果を紹介している。インフラ点検や農業、ドローンを活用した災害対応など取り組み事例は多岐にわたる。

 ロボットが私たちの暮らしにどのような影響を与えるのか、これからの防災対策にどうつながるのか。松本氏の講演をぜひ確認してほしい。

(※1)屋外で活用するロボット

南相馬市で進むロボットを通じた新産業創出をチェック

 南相馬市で進むロボット活用に向けた取り組みはこちらから無料でご視聴いただけます

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