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「事業部長のおごり自販機」「ペットロボ」活用 TOPPANが“5つの仕掛け”で狙った社内改革に迫る

» 2024年01月30日 07時30分 公開
[荒岡瑛一郎ITmedia]

 リモートワークによって柔軟な働き方が定着した一方で、社内の人脈が広がらない、チームマネジメントが難しいといった社内コミュニケーションにまつわる課題が表面化している。印刷大手のTOPPANも同様の悩みを抱えていた。

photo TOPPANデジタルの瀧野誠氏(総務部 部長)

 「リモートワークの弊害を感じる中で、意図的、集中的にコミュニケーションを促進させる必要があると感じました。そこで始めたのが『ZATSUDAN倍増計画』です」――雑談を生みたいと話すのは、TOPPANデジタルの瀧野誠氏(総務部 部長)だ。

 ZATSUDAN倍増計画と銘打ったコミュニケーション改革は5つの施策から成る。上司と部下の1on1ミーティングなどに加えて、社員証をかざすとドリンクが無料になる「事業部長のおごり自販機」の導入や、愛らしい見た目のペットロボット「LOVOT」がオフィスを動き回るユニークな仕掛けも取り入れた。

 こうした施策でどのような効果が生まれたのか。瀧野氏は、取り組みの一部始終をITmedia主催のオンラインイベント「デジタル戦略EXPO」(1月30日〜2月25日)で明かした。その一部をお届けする。

「会社の裾野が見えない」 雑談でコミュニケーション課題を解決

 TOPPANは、2015年に始めた働き方改革をコロナ禍で一気に進めた。しかし、オンランのやりとりが増えて対面コミュニケーションが減った結果、管理職から「同じ人としか会議をしない」「組織の方向性が分かりにくくて仕事の意義を見いだしにくい」などの意見が出てしまう。経営層からも「会社の裾野が見えない」という声が上がった。

 対面コミュニケーションの不足を解消するために、瀧野氏は「雑談からつながりと笑顔を」を掲げてZATSUDAN倍増計画を考案。情報コミュニケーション事業本部とDXデザイン事業部の約5000人を対象に同計画を実施した。

 ZATSUDAN倍増計画は「会話する人数(少人数/多人数)」「コミュニケーションの計画性/偶発性」という軸を幅広くカバーする5つの施策で構成されている。少人数での計画的なコミュニケーションとして「1on1ミーティング」があり、多人数での偶発的なコミュニケーションを狙ったのがLOVOTの運用などだ。

  1. コミュニケーション施策の計画
  2. 1on1ミーティング
  3. コミュニケーションプラットフォームの導入
  4. リフレッシュルーム改修
  5. その他(LOVOT)
photo ZATSUDAN倍増計画の取り組み(瀧野氏の講演資料より)

「自販機に行かない?」 事業部長のおごり自販機で生まれた会話

 ZATSUDAN倍増計画の中でもユニークな取り組みの一つが、事業部長のおごり自販機の導入だ。リフレッシュルーム改修の一環でサントリーが提供する「社長のおごり自販機」を採用して、名前を「事業部長のおごり」にアレンジして利用している。社員が2人そろって、社員証を自動販売機にタッチすると飲み物がそれぞれ1本もらえる仕組みだ。

 「声掛けをして一緒に自動販売機に行くので『自動販売機に行かない?』『今日はもうドリンクもらった?』という会話が自然に生まれます」(瀧野氏)

photo 事業部長のおごり自販機を導入した(瀧野氏の講演資料より)

 順調に雑談を増やせそうな施策に思えるが、瀧野氏は「事業部長のおごり自販機を始めた当初、大失敗をした」と明かす。果たしてその失敗とは何なのか――この続きはぜひイベントを視聴してチェックしてほしい。

 瀧野氏の講演では、ZATSUDAN倍増計画で取り組んだ5つの施策それぞれの狙いや工夫を詳しく解説している。社内コミュニケーションの設計方法や管理職向けの「プランニングシート」の具体例などもあるので、コミュニケーション課題を解決するアイデアを得られるだろう。

TOPPANの社内改革 5つの施策を詳しくチェック

 TOPPANが取り組んだZATSUDAN倍増計画。ペットロボット「LOVOT」を使ったユニークな施策のほか、チャットツールを定着させる工夫など目からうろこのアイデアが詰まっています。瀧田氏が語るリアルな課題解決の方法をこちらから無料でご視聴いただけます

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