サントリー、「社長のおごり自販機」を全国展開 出勤者減なのに「法人自販機」に注力するワケ（1/3 ページ）

[上間貴大，ITmedia]

　サントリー食品インターナショナルが法人向け自動販売機サービスを拡張する。2021年10月から首都圏エリアでサービスを開始していた「社長のおごり自販機」（関連記事）を全国に拡大するほか、軽食を取り扱う新サービス「ボスマート」なども展開する。

サントリーが法人向け自販機を強化

　飲料総研によると、ここ数年自販機市場は減少傾向にはあり、20年に始まったコロナ禍でその流れが加速。人が集まる場所に設置してある自販機を中心に売り上げが激減する結果となった。

　そんな中、サントリーが着目したのが企業のオフィスに設置してある「法人向け自販機」だ。サントリー食品インターナショナル ジャパンVM事業本部の須野原剛マーケティング部長は、「これまで屋外に設置しているものなどと同じ機材・商品を展開していたが、今後、法人向けは切り分けて考えていく。“鉄の塊”から付加価値を持ったものに変化させていく」と意気込みを話す。

サントリー食品インターナショナル ジャパンVM事業本部の須野原剛マーケティング部長

　しかし、在宅勤務が定着した現在、オフィスに出社する人も減少している。なぜ、同社は新たな成長エンジンとして法人向け自販機を選んだのだろうか。

　その理由として須野原氏は、屋外に設置したものとは異なり、特定の人に直接サービスを提供できる点と、取り込めていなかった需要があると説明する。