リテール大革命

サントリー、「社長のおごり自販機」を全国展開 出勤者減なのに「法人自販機」に注力するワケ(2/3 ページ)

» 2022年04月01日 14時25分 公開
[上間貴大ITmedia]

オフィス内で飲む飲料は「外から持ち込み」が多数

 同社が、オフィスワーカーを対象に16年に実施した調査では、オフィス内で飲む飲み物を64%が「外から持ち込んでいる」と回答。オフィス内の自販機を利用する人は19%にとどまった。須野原氏は「極めて少ない。当社の努力が足りず、伸びしろがあると考えた」と振り返る。

社長のおごり 戦略発表会資料より

 今まで逃していた層の獲得に向け、法人向け自販機の開発を加速。自販機を通じて、法人が抱える経営課題の解決に向けた提案を進めるとしている。

 そのひとつが「社長のおごり自販機」。社員2人で自販機の対象部分に社員証を同時にタッチすると、それぞれ飲み物が無料でもらえるというもの。飲料代は社長……ではなく設置先の法人負担となる。

社長のおごり 社長のおごり自販機

 コミュニケーション活性化を図るアイテムとして、21年10月に首都圏で先行展開したところ、22年2月末までに300社以上から問い合わせがあった。

 要望によって、カード1枚当たりで1日に受け取れる飲料の上限本数や、対象時間・曜日の設定を変更できるようにしたほか、「社長のおごり」という名称も「部長のおごり」や「○○(個人名)のおごり」とカスタマイズできるようにした。

社長のおごり 戦略発表会資料より

 首都圏外からの問い合わせもすでに60社以上あるといい、今年5月から全国展開に踏み切ることになった。23年までに500社への導入を目指す。

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