サントリー「BOSS」の“おじさん”は誰? 人によって印象が違う表情の秘密ロングセラーの挑戦(1/4 ページ)

» 2022年03月29日 14時00分 公開
[上間貴大ITmedia]

連載:ロングセラーの挑戦

 長い歴史を持ち、生活者に支持されている施設や商品。変わらないサービスや味に支持が集まる一方、新しい層の取り込みに向けた施策を進めている。どのような挑戦をしているのか、その動きを紹介する(不定期掲載)

 サントリー食品インターナショナルが展開する「BOSS」が今年、発売30周年を迎える。最近ではさまざまな飲用シーンを想定し、ペットボトルに入った「クラフトボス」や、ミルクや水で割って飲む「カフェベース」なども展開。その商品ラインアップは、リニューアルや海外商品も含め108になるという(22年3月現在)。

 展開する商品はコーヒーだけではない。紅茶や抹茶ラテ、スープまでBOSSブランドとしてラインアップしている。ブランドイメージを構築する上で108もの商品展開は多すぎないのか。BOSSの歴史と共に、その理由を考えていきたい。

コーヒー BOSSブランドは30周年

 BOSSブランドが誕生したのは1992年、バブル経済が崩壊し世の中が大きな転換期を迎えた頃だった。自販機の設置台数の拡大に伴い清涼飲料市場が成長。お客と直接接点がとれるチャネルとして、飲料メーカー各社が自社自販機の認知度を高める取り組みを進めていた。

 サントリーの自販機はというと、設置台数こそ業界上位を占めていたが、認知率は非常に低かったという。そこで着目したのが、特に自販機でよく売れていた「缶コーヒー」だった。

コーヒー BOSSブランドが展開する商品の一部
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.