サントリー食品インターナショナルのコーヒーブランド「BOSS」の販売数量は2018年、過去最高を更新した。缶コーヒーの市場が縮小傾向にある中、ブランドをけん引したのが17年に発売したペットボトルコーヒー「クラフトボス」だ。発売初年度に1000万ケースを販売したヒット商品になったが、18年はさらに2.7倍の2700万ケースを販売。若年層や女性の需要を取り込み、急成長を遂げた。
そのクラフトボスシリーズに「無糖紅茶」が加わる。3月19日、新商品「クラフトボスTEA ノンシュガー」を全国で発売する。なぜコーヒー以外の飲料をBOSSブランドで出すのか。そして、紅茶で何を狙うのか。
「ペットボトルコーヒーの枠を超えて、働く人に快適さを提供したい」。2月25日に開いたBOSSブランドの19年の戦略説明会で、常務執行役員 ブランド開発事業部長の柳井慎一郎氏はそう語った。
クラフトボスには缶コーヒーにはない2つの特徴がある。それは「若者や女性からの支持を得ていること」と「コーヒー以外からの流入が多いこと」。缶コーヒーのBOSSとは違う強みを新商品開発に生かせると考えた。
そして、無糖紅茶という方向性を決定付けたのが、仕事中に時間をかけて飲む飲料の変化だ。同社の調べによると、仕事中に緑茶やブレンド茶などの「無糖茶」を飲む割合は、コーヒーと比べて増加傾向にあるという。
「BOSSのコンセプトは“働く人の相棒”。働く人のニーズの広がりを考えると、コーヒーだけではカバーできないと判断した」と柳井氏は説明する。
クラフトボスTEAは、仕事の合間に飲んでもらうため、時間をかけて少しずつ飲んだときに快適に感じられる味わいを目指した。独自の技術によって、紅茶の華やかな香りを抽出する一方で、渋みを最小限に抑え、「テンションが上がる香りや味わい」(柳井氏)に仕上げたという。
だが、「BOSSといえばコーヒー」というイメージは根強いだろう。今後もカテゴリーを超えた商品展開をしていくのだろうか。
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