「ゾンビ企業」が業界に悪影響、3社に1社が「感じる」 最も多い理由は?(1/2 ページ)

» 2024年02月21日 17時00分 公開

 不健全な経営にもかかわらず政府や銀行などの支援で延命する「ゾンビ企業」が市場に「悪影響を与えている」と、3社に1社が考えている。そんな結果が、東京商工リサーチ(東京都千代田区)が実施した調査で分かった。

 日本の名目GDPが世界4位に転落し、企業の生産性向上などが注目されていることから、企業向け支援のあり方にも一石を投じそうだ。

photo ゾンビ企業が市場に与える影響は?(画像はイメージ、提供:写真AC)

 ゾンビ企業により自社業界の市場環境がゆがめられていると感じることはあるか聞いた。「感じる」は36.2%、「感じない」は63.8%だった。

 業種別にみると、「感じる」では「政治・経済・文化団体」(69.5%)、「感じない」では「協同組合」(87.5%)がそれぞれ最多だった。

photo ゾンビ企業により自社業界の市場環境がゆがめられていると感じることはあるか(出所:プレスリリース、以下同)

 どのような点で市場環境がゆがめられていると感じるか尋ねると、「不当に安い単価で受注(販売)し、適正利益が取りにくい」(79.4%)が最も多かった。次いで、「業容よりも過大に人材を抱え、業界内の採用難に拍車をかけている」(24.8%)、「ゾンビ企業の幹部が業界団体で幅を利かせている」(15.5%)が続いた。

 「その他」では、「偽りのPR資料により顧客をだましている」「自社の補助金採択率が下がる」「結果的に倒産して工事中のお客さまが困っている」などの声が寄せられた。

photo どのような点で市場環境がゆがめられていると感じるか

 産業別で分析すると、「適正利益が取りにくい」は、「不動産業」が55.1%と低位だったのに対し、「運輸業」では95.3%にのぼった。

 また、「業界団体で幅を利かせている」は、「農・林・漁・鉱業」では33.3%だった。

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