近畿圏・地下鉄の「住みたい」路線 独自の割引制度の影響は?

» 2024年02月27日 08時00分 公開

 不動産・住宅情報サービスを運営するLIFULL(東京都千代田区)は、近畿圏の地下鉄における「住みたい街が多い鉄道路線ランキング」を発表した。1位は「Osaka Metro谷町線」(15駅)が選ばれた。2位は「Osaka Metro御堂筋線」(13駅)、3位は「京都市営烏丸線」(11駅)だった。

photo LIFULLは、近畿圏の地下鉄における「賃貸物件の問い合わせが多い鉄道路線ランキング」を発表した(出所:photoAC)
photo 「賃貸物件の問い合わせが多い鉄道路線ランキング」(出所:プレスリリース、以下同)

Osaka Metro谷町線で住みたい駅1位は?

 Osaka Metro谷町線は、守口市「大日」から大阪市内「東梅田」「天王寺」を経て、大阪府八尾市「八尾南」を結んでいる路線。沿線には大阪府庁を始めとする官庁街や寺院が連なるエリアがあり、御堂筋線に次ぐOsaka Metroの乗降人員第2位を誇る。近畿圏における「借りて住みたい街ランキング」TOP200内に15駅、TOP100内に12駅がランクインした。

photo Osaka Metro谷町線「借りて住みたい街ランキング」トップ5

 谷町線の住みたい街1位は大阪市都島区にある「都島」駅だった。都島駅は、大阪・梅田エリアの「東梅田」から3駅とアクセスが良く、周辺にはスーパーが複数あり、病院などの施設もそろっている。平均家賃は8万6000円と安くはないものの、中心部からの近さや生活利便性が高く人気のある街の一つだ。

 2位はOsaka Metro堺筋線と阪急千里線も利用でき、有名な「天神橋筋商店街」やスーパー、ドラッグストア、飲食店が多い「天神橋筋六丁目」駅、3位はOsaka Metro堺筋線やJR東西線も利用可能で、大阪天満宮や大阪の夏の風物詩「天神祭り」など四季の行事ごとや祭りなど活気を感じられる「南森町」駅がランクインした。

2位はOsaka Metro乗降人員1位の「御堂筋線」

 2位のOsaka Metro御堂筋線はTOP200内に13駅がランクインした。大阪府吹田市の「江坂」から大阪のビジネスの中心である「淀屋橋」「本町」、ショッピングや観光地の「新大阪」「梅田」「難波」を経て堺市北区の「中百舌鳥」を結ぶ、Osaka Metroの乗降人員第1位を誇る路線だ。

photo Osaka Metro御堂筋線「借りて住みたい街ランキング」トップ5

 御堂筋線の住みたい街1位は「江坂」駅、2位は「新大阪」駅、3位は「大国町」駅、4位は「東三国」駅、5位は「西中島南方」駅だった。

3位は「京都市営烏丸線」

 3位はTOP200内に11駅がランクインした京都市営烏丸線だった。京都市左京区の「国際会館」から「四条」「五条」「京都」を経て、京都市伏見区の「竹田」を結んでいる。沿線には京都市内の主要観光地の京都御所や東本願寺があり、多くの大学のキャンパスも存在している。

photo 京都市営烏丸線「借りて住みたい街ランキング」トップ5

 烏丸線の住みたい街1位は「北大路」駅、2位は「今出川」駅、3位は「京都」駅、4位は「九条」駅、5位は「烏丸御池」駅だった。

 LIFULL HOME'S PRESS編集部の渋谷雄大氏は「Osaka Metroは、よく使う2駅を登録することで、その周辺駅と登録駅の間でも追加料金なしで乗降可能になる『マイスタイル』という制度が普及しているため、定期券の利用率が低いことが知られている。

 ランキング3、8位の京都市営地下鉄が走る京都市では、主に学生街と言われる街が住みたい街ランキングでの順位を上げた。大阪市は10年連続転入超過を記録するなど、コロナ禍を経た現在でも人々から選ばれる街として発展を続けている。一方で神戸市は、人口が150万人を割るなど『予想以上』(久元市長)とする自然減が続いていて、神戸市内を走る神戸市営地下鉄も本ランキングでは名前が挙がらない結果となった」とコメントしている。

 今回の調査は、LIFULL HOME'Sに掲載された賃貸物件のうち、近畿圏における「借りて住みたい街ランキング」TOP200以内にランクインした駅の実際の問い合わせ数を路線別に集計した。期間は23年1月1日〜12月31日、対象エリアは大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県。

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