クルーカフェのポイントは、安さや営業時間の長さだけではない。これまでは運営を外部の事業者へ依頼していたが、23年6月から内製化を始めた。
そもそも、クルーカフェはUSJのグランドオープン時から存在していた。ただ、これまでのクルーカフェは「ザ・食堂」(広報担当者)といった形で、現在のように隅々までクルーに気を配った運営に振り切れていなかった。
そこでまず、クルーカフェの内装をリニューアル。例えば6カ所あるうちで最大規模の「DECKカフェ」は、映画をイメージし、フィルムのような仕切りを作るなど、まるで映画のワンシーンのようにおしゃれな空間へと作り替えた。
ここまではハード面の改装だが、その後は4カ所のクルーカフェを内製化。DECKカフェを含む残り2カ所は同年7月にリニューアルを終えた。
しかし、なぜ開業から20年以上が経過したこのタイミングなのか。ポイントは、経営体制の変更だ。転機が訪れたのは15年。米国でケーブルテレビなどのメディア事業を手掛けるコムキャスト社が、株式の過半数を取得する形でUSJを買収した。14年にオープンした新エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」などの好調により、集客能力が高まったことがきっかけとされる。
経営体制の変更により、事業のもうけはもちろんながら、従来以上に全社的に人材への投資を積極的に行う体制へシフトチェンジ。その中で日々のクルーの「食」体験を変えようと、クルーカフェの刷新へと段階的に踏み切った。
「実は以前から、何度かクルーカフェをリニューアルして内製化しようという話はありました。ただ、これまで社内で従業員食堂の運営経験がないことから、メニューの検討や体制、コストなどの面で頓挫してきた歴史があります。それが経営体制の変更をきっかけに、内製化することになりました」(鎌田氏)
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