「2024年問題」が迫る運送業者、業績は回復も23年の倒産・休廃業件数が過去最多に（1/2 ページ）

[コネムラメグミ，ITmedia]

　ドライバー不足が懸念される「2024年問題」が近づく中、すでに運送業者には厳しい情勢が続いている。東京商工リサーチの調査で、宅配を担う「軽貨物運送業（貨物軽自動車運送業）」の23年の倒産（49件）と休廃業・解散（74件）の合計が過去最多の123件に達したことが分かった。

東京商工リサーチは、23年の「軽貨物運送業」動向調査を発表した（出所：photoAC）

軽貨物運送業の倒産推移（23年1〜12月）（出所：プレスリリース、以下同）

　23年の「軽貨物運送業」倒産は3年連続で増加し、49件（前年比36.1％増）だった。倒産は1989年 、休廃業・解散は00年の統計開始以来最多を更新し、休廃業・解散と倒産の合算は、21年78件、22年102件、23年123件と3年連続で過去最多を更新している。

　負債総額は、30億200万円（同198.7％増）で前年の約3倍と大幅に増加。前年はなかった負債5億円以上の倒産が2件発生し、全体を押し上げた形となった。負債1億円未満は44件で約9割（構成比89.7％）を占め、倒産と廃業は小・零細企業を中心にみられている。

状況別・倒産業況

　都道府県別では、最多は大阪府の12件（前年10件）、次いで東京都（同7件）と神奈川県（同3件）の各6件となった。