「悪い円安論」が聞こえなくなった理由 メディアは「良い円安論」を説き始める(2/2 ページ)

» 2024年03月07日 07時15分 公開
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 いうまでもなく、この業績拡大は円安を追い風にしたものである。円安は輸出企業の業績を押し上げるだけでなく、訪日外国人を増やすことで、観光・宿泊業、飲食・小売業にも好影響だった。

photo 1ドル=150円台でもメディアは騒がなくなった

 円安のメリットを経済成長のドライバーとするならば、いかにしてデメリットの影響を小さくするか。それを考えるのが政策であろう。短期的には円安による家計の負担を和らげ、長期的には海外要因のインフレ圧力に影響を受けないように国内の食料やエネルギーの供給能力を高める政策を考えるはずなのだが、一向にそのような話は聞こえてこない。

森永康平(もりなが こうへい)

 経済アナリスト。1985年生まれ、運用会社や証券会社で日本の中小型株のアナリストや新興国市場のストラテジストを担当。金融教育ベンチャーのマネネを創業し、CEOを務める。アマチュアで格闘技の試合にも出場している。著書に父、森永卓郎氏との共著『親子ゼニ問答』(角川新書)など。


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