(1)レイヤーを分離でき、かつ十分なボリュームがあること
レイヤーマスターを成立させるためには「バリューチェーン内のレイヤーを分離できるか」という点が重要です。例えば、エレクトロニクスメーカーにとって「製造」というレイヤーは、自社のバリューチェーンから切り離して他社に委託してもその他のレイヤーに影響がないため、そこにFoxconnのようなEMS事業者のポジションが生まれます。つまり、レイヤーマスターはモジュール化が進んでいる業務や産業において存在し得ることになります。また、その分離したレイヤーのボリュームが、企業の事業を成立させるのに十分なほどの大きさであることが必要です。
(2)レイヤー内で競争優位を構築できるか
レイヤーに特化して事業を展開するだけではなく、同一レイヤー内の他社に対して競争優位を築くことが必要です。例えば、IntelはCPUでMicrosoftはOSで、シマノは自転車部品で、それぞれが高い技術力を保有しているからこそ、特定のレイヤー内における競争力を保有しているのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング