電子契約の導入率は約7割 それでも紙で契約締結する理由は？

[神奈川はな，ITmedia]

　DXサービスの企画・開発・販売を手掛けるSansan（東京都渋谷区）は、契約業務に携わるビジネスパーソンを対象に「紙の契約書に関する実態調査」を実施した。調査の結果、70.9％が「電子契約を導入している」と回答したが、実際の契約では76.1％が「紙の契約書を頻繁に利用している」という実態が明らかになった。

紙の契約書に関する実態調査（画像はイメージ、提供：写真AC）

契約書の形式について

　「あなたの企業では電子契約を導入していますか」という質問に対しては、70.9％が「導入している」と回答した。

　一方、「紙の契約書を使う頻度を教えてください」という質問には、76.1％が「頻繁に紙を使う」と回答した（「すべて紙」「8〜9割紙」「6〜7割紙」「半分ずつくらい」の合計）。

　「すべて電子契約を使っている」と回答した人は6.4％にとどまり、電子契約の利用率はまだ低く、紙による契約締結が多い実態が明らかになった。

契約書の形式について（出所：プレスリリース）

紙の契約書を使う頻度

　紙の契約書を使う頻度を業界別に集計すると、「建設・不動産業」「卸・商社」が88.1％で上位に並んだ。最も低かったのは「IT・情報通信」の56.8％だった。

紙の契約書を使う頻度

電子契約を導入しても紙を使う理由

　電子契約を導入していながら紙で契約締結を行う理由の1位は「取引先から求められるから」（55.1％）、2位は「取引先が電子契約を導入していないから」（43.3％）で、外的環境の要因によって電子契約の利用が進まない実態が明らかになった。

電子契約を導入しても紙を使う理由

紙の契約書管理における課題

　紙の契約書管理については、64.0％が「課題がある」と回答した。課題の内容については、26.3％が「期限管理ができていない」、24.9％が「契約の状況が分からない（有効かどうかなど）」と回答した。

紙の契約書管理における課題

　調査は契約業務に携わる全国のビジネスパーソン800人を対象に、2月15〜19日にオンライン上でのアンケートで実施した。