大丸「神エリア 13階」の成功で何が変わった? 百貨店がワンピース、ポケモン、マリオ発信 (2/3 ページ)

» 2024年03月24日 21時29分 公開
[産経新聞]
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「神エリア」の13階

 同店のある大阪・梅田エリアは、半径300メートル以内にエイチ・ツー・オーリテイリング傘下の阪急うめだ本店や阪神梅田本店が位置する「百貨店激戦区」。独自の店づくりはこうした各店との差別化を図る目的もあった。

 平成22年のポケモンセンターオーサカを皮切りに、ワンピースのストアや、任天堂の公式グッズなどを扱う直営店「Nintendo OSAKA(ニンテンドーオオサカ)」など、日本を代表するキャラクターコンテンツの店舗が相次いで誕生。新型コロナウイルス禍に一時期は落ち込んだものの、外国人客や若い世代に大きな反響を呼び、13階の来場者数は再び増加傾向にあるという。SNS上では13階を指して「神エリア」と呼ぶ声も。「いたるところに楽しい世界が広がる小さなテーマパークみたいなところが受けている」と中西さんは指摘する。

 手応えを感じた大丸梅田店はこうしたポップカルチャーの取り扱いをさらに拡充。今年2月には、中華圏の旧正月にあたる春節に合わせて婦人服を販売していた5階フロアの一部をリニューアルし、アジアでも人気の「クレヨンしんちゃん」や「仮面ライダー」、人気イラスト作家による作品「mofusand(モフサンド)」のグッズをそれぞれ販売する3店舗を新たにオープンした。

 ショップによっては入店待ちに数百人の行列ができ、店内は身動きが取れないほどの活況ぶりで、5階の2月の売上高は前年同月の約4割増となった。

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