大丸「神エリア 13階」の成功で何が変わった? 百貨店がワンピース、ポケモン、マリオ発信 (1/3 ページ)

» 2024年03月24日 21時29分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 関西の百貨店で世界的に人気を集める日本のアニメやゲームなどの「ポップカルチャー」を取り扱う店が増えている。訪日外国人客が増加傾向にあり、国内外の利用客らが注目する店づくりが必須となる中、各百貨店では工夫を凝らした店舗を拡充。従来の顧客に加え、若年層や外国人客が増えるなど、各店ではフロアを行き交う人の姿が変わりつつある。

あふれる外国人客

 「ONE PIECE(ワンピース)」にポケットモンスター(ポケモン)、マリオ…。大丸梅田店(大阪市北区)の13階フロアには、日本を代表するポップカルチャーコンテンツの店舗が並ぶ。親子連れや若いカップルらが和気あいあいとした様子で目当ての商品を手に取ったり、店内のキャラクターなどのオブジェと撮影したり。目立つのは外国人客の姿で、レジ前の長蛇の列の中にはアジア圏を中心に欧米系の客の姿も見える。

 「お客さんは世界各国から。年々増加傾向にある。こんなにも日本のアニメやゲームが注目されているとは」。フロアを担当する中西直彦マネジャーはこう話し、驚きを隠さない。

 ポップカルチャーを発信する場としての道を同店が歩みだしたのは約15年前。海外でも爆発的な人気を誇るポケモンのグッズを販売する「ポケモンセンターオーサカ」や、ミニカー専門店「トミカショップ」といったこれまで百貨店で取り扱いのなかった分野の大型ショップを続々とオープンさせた。

 海外高級ブランドなどを買い求める特別な場としてのイメージのある百貨店だが、同店は当時「百貨店なのに…」というコンセプトでポップカルチャーの導入を決断。中西さんは「その百貨店に行きたくなる場所づくりが重要。そのためには個性を出していく必要があった」と振り返る。

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