「1億円超の損失」「相次ぐ社員の退職」を乗り越え上場 マネされにくい立ち飲みチェーンはどのように誕生したのか(2/4 ページ)

» 2024年03月26日 05時00分 公開
[三ツ井創太郎ITmedia]

1号店が10坪で月商350万円の繁盛店に

 「当初は月商100万円程度だった1号店の栄店は、トライアングルの徹底により、気が付けばどんどん常連のお客さまが増え、10坪で月商350万円を売り上げる繁盛店となりました。

 ここで一気に2号店、3号店と店舗拡大を行いました。この2号店、3号店もヒットし、遂にはその勢いで4号店をオープンさせました。今までは“1階で10坪”という物件にこだわって出店をしていたのですが、なかなかこれに適合する物件が見つからなかったこともあり、4号店は初めて地下、さらには25坪という大黒としても大型の物件での出店となりました」

 店舗拡大を目指す中で、初めて2500万円の投資をして「地下の大型店舗」にチャレンジした大谷社長でしたが、この4号店は結果的に大赤字となってしまいます。累積損失は6000万円を超え、1号店、2号店、3号店の利益を全て4号店の赤字が食いつくしてしまう状態になります。

にぎわう店内

 「今思うと、4号店は25坪の大型店であり、創業以来私たちが大切にしてきたトライアングルを実現できないお店でした。この失敗を通じて、改めて自分達のビジネスモデルの軸をブラさないことの大切さを学びました」

 その後は1階10坪程度で、お客さまとの距離感が近いお店でトライアングルを徹底するスタイルを経営戦略の軸とします。そして、4号店の失敗を乗り越え、さらなる店舗拡大に成功します。

 しかし、ここでまた大谷社長に過去最大となる試練が訪れるのです。

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