「子ども服」の次は? ワークマンが次に展開しそうな業態長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/4 ページ)

» 2024年03月27日 06時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

「大人ありき」の商品開発 価格は大人の5〜7割

 ショッピングセンターで拡大中の#ワークマン女子は、男性向けや男女兼用のユニセックスの商品も数多く取りそろえている。しかし、店名からして男性は入りにくく、若者の集客も強くないので、23年9月には機能性を抜きにしてファッション性だけで成立する商品群を扱う、ワークマンカラーズを新しく立ち上げた。今のところ銀座に1店あるだけだが、10〜20代にリーチするパイロットショップとして期待しているようだ。

 今後、ワークマンが老若男女に親しまれる国民的ブランドに成長するには、ベビーからスクール世代の子ども服が課題だった。今回のワークマンキッズの展開は、その空白部分を埋める試みといえよう。ワークマンの広報によると、既存店、特に#ワークマン女子に来店した人から「子どもにも着せたいから、私が着ているこの服をまるごと小さくした服はできないのかと、多くのお客さまからリクエストをいただいた」という。

大人用を基にしたデザインで、親子のペアルックを提案している(同前)

 ワークマンキッズの商品を扱う、#ワークマン女子のサンシャインシティアルパ店の面積は132坪あり、同社の首都圏商業施設内の店舗では最大規模の旗艦店だ。同店オープン時のプレスリリースによれば、同社が有する製品カテゴリーの中で最も伸びている女性用の機能ウェアを中心とした店舗で、当時27店あった全店に勢いがある、といった状況での出店だったという。

 実は、この頃から試験的な子ども服の導入が始まっていた。サンシャインシティアルパ店がオープンしてから間もなく、子ども服をコーナー展開し始めたのだ。当初は小学校高学年向きの140センチと150センチのサイズから導入した。男児用から展開したが、次第に女児用のスカート、ワンピースなども開発。現在は、さらに下のサイズとして120センチ、130センチまでラインアップを拡充している。その他、防水機能の付いた靴、靴下なども販売する。

小学校高学年向けである140・150センチのサイズから始まった(同前)

 ワークマンキッズの特徴として、まず大人の商品ありきとなっている点がある。ワークマンの商品は機能性と価格の安さがウケているわけだが、機能とデザインは同じまま、サイズを小さくしただけの展開となっている。親子そろってペアルックを楽しんでもらう趣旨だ。カラーリングに関しては子どもらしく、大人の商品と変えてビビッドカラーを打ち出した商品もある。布の使用量が少ないからか、子ども服の価格は大人用の5〜7割となっている。

 ワークマンキッズではこれまで30アイテムを発売したが、フルラインで取り扱う#ワークマン女子の店舗だけでなく、評判が特に良い一部の商品は、全国のワークマンやワークマンプラスの路面店、1000店舗以上で販売している。販売目標は、#ワークマン女子のインショップとして、年間6000万〜7000万円だ。

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