「子ども服」の次は? ワークマンが次に展開しそうな業態長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/4 ページ)

» 2024年03月27日 06時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

ワークマンキッズの人気商品、トップ5は?

 ワークマンキッズの商品を先行して展開したイオンモール沖縄ライカム店における人気商品トップ5は、次のようになっている。

1位:AERO GUARD コットン半袖Tシャツ(680円)

2位:AERO STRETCH クライミングパンツ(980円)

3位:パフスリーブTシャツ(780円)

4位:BAGin レインジャケット(2900円)

5位:耐久撥水 どろんこシェルジャケット(1500円)


人気商品、トップ5

 「AERO GUARD」は防虫加工を施したアウトドア向けの商品で「AERO STRETCH」は伸縮性に優れ、吸汗速乾性やUVカットといった機能を備えている。3位の「パフスリーブTシャツ」は、デザイン性が優れながら、汗をかいたり洗濯したりといったときに乾きやすく、機能性が高い。4位の「BAGin」は、その名の通りバッグを中に収納できるサイズ感で、背負ったリュックやランドセルを雨から守る機能が光っている。「耐久撥水どろんこシェルジャケット」は、はっ水に加えて泥水汚れが付きにくい機能を付加した。

 トップ5の人気商品はいずれも、防虫・伸縮性・速乾・はっ水・泥避といった、ワークマンならでは高機能を備えているわけだ。親は、実際に自分が「着てみて良かった」と思える商品を、子ども向けにも買い求める傾向があるため、非常に効果的だ。

半袖シャツとのコーディネート提案も

2年連続の利益減も、ワークマンキッズに期待

 現在ワークマンは47都道府県に出店しており、特に18年以降は職人向けに開発した高い機能性と買い求めやすい価格、タウン用途でも着られるデザイン性で、一般の消費者のファンを増やしてきた。20年以降は女性向けの販売を本格化し、24年からは子ども向けにも注力と、ステップを踏んで年齢層を拡大してきた。

 しかし、アウトドアブームの終焉(しゅうえん)もあって、スノーピークをはじめアウトドアブランドが苦戦するのと歩調を合わせるように、ワークマンの業績にも陰りが出てきた。24年3月期第3四半期の決算では、営業総収入の約1061億円は前年同期比で5.3%増と伸びている。ところが原材料費・人件費・配送費・光熱費といったコスト高のため、営業利益・経常利益・四半期純利益はともに2年連続で減少しており、例えば経常利益の約210億円は同0.5%減となった。

靴も販売している(同前)

 とはいえ1年前、23年同期の経常利益は、対前年同期比で8.0%も減っていたため、コストを吸収する力は付いてきている。今期が最終的にどうなるかは分からないが、来期には利益も伸ばせるような道筋は見えてきた。そこにワークマンキッズが貢献しそうだ。

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