このように、沖縄では「地元企業」が有利であることを述べてきたが、必ずしもそうではないこともある。それは「クオリティーに差があって高単価のビジネスモデル」だという。場合によっては「沖縄ブランド」と「本土ブランド」をうまく使い分けることを、伊波氏は勧めている。
「例えば新車を購入する時です。本土ブランドの方が『気持ちの良い接客』や『信頼できる知識』を期待できるからです。特に1972年の沖縄の日本復帰前は、日本に対する強い憧れが全体として強かったと思います」
一方で、士業などの「品質がしっかり担保されている分野」については、地元の事情に詳しい県内企業に分があるとも話す。「沖縄に進出したい企業は、とにかく何でも沖縄っぽくするのではなく、自社がどのポジションにあるのかをきちんと把握した上で、ブランディングや商品展開を考える必要があります」と伊波氏は指南する。
日本企業が海外に進出した際によくある失敗例が「日本のやり方で物事を進め、管理職を日本人で固め、現地のスタッフとフラットに接していないことから、信頼を得られない」ことだという。「グローバルというのは、単に海外にいるとか、言葉が堪能だとか、そういうことではありません。考え方そのものがグローバルでなければならないのです」。大切なのは、その土地ごとのルールに自らをダイブさせることだ。
伊波氏自身、大学を卒業してすぐに東京で働き始めたため、沖縄に戻ってきた時には“沖縄ルール”に慣れるまで3年程度かかったという。だからこそ、本土の人が沖縄にやってきて壁にぶつかったりストレスを感じたりする気持ちが痛いほど理解できる。
「沖縄県民147万人の価値観を変えるより、自分の価値観を変えた方が良い」――。沖縄でより笑顔で過ごすことができ、ビジネスで成功できるように。「OKINAWA RULES」はそのナビゲーターとなりそうだ。
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