「地球駅OCAT」を襲った悲劇から20年 どう変身した?(2/5 ページ)

» 2024年04月04日 17時15分 公開
[産経新聞]
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 なんという夢のある言葉だろう。1階にはチェックインロビーがあり、空港で行う搭乗手続きなどができた。日本の航空会社はもちろん、エールフランスやKLMオランダ航空など12社のカウンターがずらり。

photo 1日240本が運行されるOCATのバスターミナル

 ここで荷物を預ければあとは手ぶらで地下のJR難波駅から「関空快速」。2階のバスターミナルからバスに乗れば関空へ一直線。OCATには、そんな乗降客をもてなす「旅の総合情報館」や「レストラン街」「ショッピング街」もあった。

 だが、2001(平成13)年に悲劇が襲った。

 「9.11、米中枢同時テロが起こったんです。あの事件で状況は一変しました」と坂東さん。

 テロ後、セキュリティー強化が米国から日本に通達され、米到着便は空港以外の場所でのチェックインは「全面禁止」。米国への渡航者は激減した。OCATにあった各航空会社のカウンターは次々に閉鎖され、JR難波駅始発の「関空快速」も平成20年に廃止。

 「地球駅」の扉は閉ざされたのである。

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