「地球駅OCAT」を襲った悲劇から20年 どう変身した?(3/5 ページ)

» 2024年04月04日 17時15分 公開
[産経新聞]
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生活密接 都会のオアシス

 「悲劇」から二十数年がたったいま、OCATは大きく生まれ変わっている。

 2階のバスターミナルは日本有数の大型バスターミナルとして、多くの訪日外国人観光客(インバウンド)や日本人観光客の“中継拠点”として、北は仙台市、南は熊本市、そして中国地方や四国への便など1日240本のバスが発着している。

 運行管理室の植村信さんによれば、一番の特徴は阪神高速道路の「湊町ランプ」と直結していること。「他のターミナルのように高速を降りて一般道に出てから渋滞にかかる−ということがない」という。

 1階にあったチェックインカウンター跡には、100円ショップの「ダイソー」。隣には1億円の重さを体感できる宝くじの博物館「ドリーム館」。2階に保育所、3〜4階は市役所の出先機関、5階にレストランなど。

 「20年が過ぎ、周囲にショッピングビルやたくさんの高層マンションが建ち、湊町も多くの方が住まれるようになりました。その人たちの生活に密接した施設を目指しています」と田上さんはいう。

photo 「OCAT」の屋上にある貸農園
photo 「OCAT」の屋上で開催された「絵本ピクニック」。600人が集まった=昨年11月(湊町開発センター提供)

 OCAT屋上は緑豊かな芝生の公園。昨年11月3日には、芝生の上で子供たちと絵本や紙芝居を楽しむ「えほんピクニック」が開かれ、600人でにぎわった。そして、大きなプランターを貸し出す「貸農園」もあるのだ。

 「近所の会社のサラリーマンたちが、屋上にやってきてお昼ご飯を食べたり休憩したり。“都会のオアシス”なんです」。坂東さんはほほ笑んだ。

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