新幹線車内整備「18分」 時間との戦い 乗客の快適な旅を支える「ブルーのユニホーム」(2/3 ページ)

» 2024年04月09日 14時37分 公開
[産経新聞]
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安全運行の一翼

 実は車内整備を実施しているのはJR西日本、JR九州の車両。いわば「他社」だが、M野さんは「新大阪は東海道と山陽新幹線の境界。どこの車両とか意識したことはない。すべてをきれいにするだけ」とプロ意識を強調。日本が世界に誇る新幹線は車両がきれいなことでも有名だ。「外国人のお客さまにすごいところを見せたい」とプライドをのぞかせる。

photo 新大阪駅20番線で列車を出迎える。安全確認も忘れない (渡辺恭晃撮影)
photo 折り返しに備え、座席を進行方向に転換していく (渡辺恭晃撮影)

 M野さんは整備作業だけでなく、経験を買われて約2年前から、チーフスタッフとして車内整備後の点検なども行っている。照明が切れていないか、窓にキズはないか、トイレから出てこない人はいないか、1編成の半分をチェックする。異常があれば、車掌らに連絡する。安全運行の一翼を担っているのだ。

 新型コロナウイルス禍のとき、乗客は激減。「それでもきっちりやろう」とモチベーションは下げなかった。きょうもホームで新幹線を出迎え、そして見送る。「ブルーのユニホームを着ると気合が入ります。長年培ってきたわが社の技術はどこにも負けないと思っています」。すべては乗客に快適な旅をしてもらうためにある。

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