実は車内整備を実施しているのはJR西日本、JR九州の車両。いわば「他社」だが、M野さんは「新大阪は東海道と山陽新幹線の境界。どこの車両とか意識したことはない。すべてをきれいにするだけ」とプロ意識を強調。日本が世界に誇る新幹線は車両がきれいなことでも有名だ。「外国人のお客さまにすごいところを見せたい」とプライドをのぞかせる。
M野さんは整備作業だけでなく、経験を買われて約2年前から、チーフスタッフとして車内整備後の点検なども行っている。照明が切れていないか、窓にキズはないか、トイレから出てこない人はいないか、1編成の半分をチェックする。異常があれば、車掌らに連絡する。安全運行の一翼を担っているのだ。
新型コロナウイルス禍のとき、乗客は激減。「それでもきっちりやろう」とモチベーションは下げなかった。きょうもホームで新幹線を出迎え、そして見送る。「ブルーのユニホームを着ると気合が入ります。長年培ってきたわが社の技術はどこにも負けないと思っています」。すべては乗客に快適な旅をしてもらうためにある。
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
Special
PR注目記事ランキング