赤本が最初に刊行されたのは昭和30年度。京都大▽大阪大・神戸大(合本)▽同志社大・立命館大(合本)−の地元有名大3冊からのスタートだった。
といっても、この頃は表紙の色は必ずしも赤で統一されていたわけではなく、大学によって黄色や青色もあった。
同社に残る一番古い赤本は昭和32(1957)年版の京都大学の過去問題集。表紙は赤いが「昔の技術では鮮やかな赤の発色が難しく赤というよりえんじ色に近い。当時、それほど色にこだわりはなかったようです」と上原社長。
35(1960)年版には東京大が初登場。40(1965)年版では128大学130点、60年(1985)年版は234大学425点と数を増やし、昨年版は378大学555点を出版している。
上原社長は「競争倍率が発生する大学は全て取り上げて出版する、という気概でやってきた。この網羅性こそがうちの強み」と話す。
表紙の色が統一されたのは昭和40(1965)年版からだが、このときは、だいだい色だった。「書店に並べたときに目につく」という理由からで、当時のキャッチコピーは「オレンジ色のパスポート」だった。
上原社長は「創業者もこれほどのロングセラーになるとは想像もしていなかったのでは。時代が変わってもずっと愛され続ける存在でありたい」と話していた。(木ノ下めぐみ)
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