ルネサス、パワー半導体の甲府工場が再稼働 社長「不死鳥のように舞い戻った」(1/2 ページ)

» 2024年04月12日 06時30分 公開
[産経新聞]
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 半導体大手のルネサスエレクトロニクスは11日、パワー半導体製造の甲府工場(山梨県甲斐市)の開所式を行った。同工場は約10年前に閉鎖されたが、パワー半導体の需要拡大が見込めることから世界最先端レベルの工場として設備を投入し再稼働させた。開所とともに試験的な操業を始め、来年から本格量産に入る計画だ。

photo 再稼働したルネサスエレクトロニクスの甲府工場=11日、山梨県甲斐市(平尾孝撮影)

 ルネサスの柴田英利社長は式典で、「10年前の稼働停止から不死鳥のように舞い戻った。ルネサスにとって先進的で戦略的フォーカスがはっきりした工場になった」とあいさつした。

photo 再稼働したルネサスエレクトロニクス甲府工場のクリーンルーム=11日、山梨県甲斐市(平尾孝撮影)

 同社は令和4年5月に900億円を投じ、甲府工場で、大電力の制御に不可欠なパワー半導体の量産を再開することを発表。この分野では世界最先端の300ミリウエハー対応の工場とする。大電力を効率よく制御するためのパワー半導体は、電気自動車(EV)など自動車の電動化や人工知能(AI)の活用拡大で、需要の大幅増が見込まれる成長産業分野だ。甲府工場の稼働で、ルネサスはパワー半導体の製造能力を倍増させる。

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