なぜ外国人投資家は日本株に資金を移しているのか(1/2 ページ)

» 2024年04月18日 07時00分 公開
[ZAKZAK]
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 株式市場に関するニュースを見ていると、「外国人投資家が買い越した」といった表現を目にすることがある。なんとなく聞き流してしまう表現だが、どのような投資家を指しているのだろうか。

 外国人投資家は日本の株式市場で取引を行う投資家のうち、日本国内にはいない「非居住者」の組織や個人を指している。「組織」とは銀行や証券会社などの金融機関や、運用会社、年金基金などの形態が存在しており、なかでも巨額の資金を運用しているヘッジファンドの影響力は大きい。そして外国人投資家は日本株の約3割の株式を保有しており、売買代金の6〜7割を占めている。

 このように書くと日本株なのに日本人の取引シェアはそんなに小さいのかと驚くかもしれないが、外国人投資家の定義は国籍ではなく、発注が行われた拠点が判断軸となっている。日本人が海外で運用しているヘッジファンドや、日本の機関投資家が海外の投資顧問会社に預けた資金が日本株に投資したケースも外国人投資家による注文となることには留意したい。

 2024年に入り日本の株式市場の強さは世界の中でも目立っており、新NISA(少額投資非課税制度)が始まったことが大きな要因として語られることもあるが、データをみてみると外国人投資家が日本株に資金を移していることの方が大きな要因と考えるべきだ。それでは、なぜ外国人投資家は日本株に資金を移しているのだろうか。

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