Webサイトのデザインを請け負っている知人に尋ねてみると、企業の担当者に「そもそもダークパターンがいけないとの自覚がない。むしろ有用なテクニックだと勘違いしている。そのため実際に依頼されることもある」とのショッキングな回答が返ってきた。
その背景として、企業担当者は「短期的成果を上司から迫られている」ので「安易に他社を真似ることに躍起」だというのが実情のようだ。ウェブコンサルがこうした手法の「ノウハウ伝授」をウリにしているケースもあるようだ。それで同じようなやり口が各業界で広まっているのかと納得がいった。
しかし紹介してきたように、ダークパターンというのは犯罪ではないのかもしれないが、日本人が大好きな「誠実さ」とは真逆のやり口だ。短期的には成果を上げるかもしれないが、いずれ痛いしっぺ返しを食らう恐れが高い、麻薬のようなものだ。
でも担当者レベルではどうにも自発的に脱却しにくいのも実情だ。経営者諸氏および事業責任者は早急に、自社のウェブサイトがダークパターンを使っていないか、緊急点検の号令を掛けるべきだろう。 (日沖 博道)
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