PB(プライベートブランド)商品といえば、一般的に低価格性を売りにした商品として認識されている。広告宣伝費や物流費などを抑えられるため低価格を実現できるのがPBのメリットだ。一方、PB商品の品質は「値段相応」であり、高品質や目立った特徴を求める商品としての認識はされてこなかった(もちろん、セブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」のような、価格が比較的高いPBの存在感も増している)。
しかし、近年PB比率の向上を目指すドラッグストア業界では、新たな付加価値を訴求する商品が増えてきた。従来のPBイメージと違い「安さだけ」を売りにしているわけではない。ドラッグストア業界におけるPB商品開発の動きとその思惑を探っていく。
2014年にイオン傘下に入ったウエルシアホールディングス(HD)は、イオンのPB商品「TOPVALU(トップバリュ)」を店頭に置いてきた。その後、21年6月から独自ブランドとして「からだWelcia」「くらしWelcia」の2種類を展開している。
からだWelciaは、総菜やスナック類など食品類を扱うブランドであり、くらしWelciaはトイレットペーパーや綿棒、脱脂綿といった日用品・雑貨類が主だ。方眼の背景に商品名を記載しただけのシンプルな商品パッケージは、どこか無印良品のような印象を与える。そしてこれらPB商品は「とまらないアーモンド小魚」「自然の恵み99%かつ薬用のハンドクリーム」のように「長い修飾語+名詞」の形式をとった商品名が特徴的である。
ブランドメッセージは「いいものは、いいひとだ。」としており、商品開発では人格を作ることを意識しているという。特徴的な商品名には、血の通った温かな印象を与え、商品の特徴を伝えやすくすることを期待している。ちなみに商品名の設定には、サントリーや住友生命保険などで実績のあるコピーライターの岡本欣也氏が関わっている。
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