ニトリ、ワークマン、モンベルが続々参入 軽くて安い布製ランドセルは“価格破壊”を起こすか?(3/6 ページ)

» 2024年04月21日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

モンベルの通学用バックパックを自治体が配布

 アウトドスポーツ用品を手掛けるモンベル(大阪市)が、21年に富山県立山町と開発した通学用バックパック「わんパック」は、同社のECサイトにおいて1万4850円で販売している(わんパック 14の場合、以下同)。

モンベルの「わんパック 14」は1万4850円(出所:モンベル公式Webサイト、以下同)

 背面と底面はしっかりしたパネル入りで自立しており、型崩れを防ぐようになっている。水濡れに強い素材を採用しているのが特徴で、レインカバーと反射テープも備えている。同社は「これまで登山用品などの開発で培ってきた高機能素材や技術力を結集して完成させた」としている。

 発売当初は品薄状態が続いていたが、現在は全てのカラーで「在庫あり」という状態だ(4月19日時点)。重量は930グラムとなっている。

モンベルの「わんパック」

 当初は立山町内の小学校に入学する全児童に立山町からプレゼントするためのものだった。同町の舟橋貴之町長は「ランドセルは高額で家庭の負担にもなるため、機能的で軽く、経済的にも負担にならないものを町から子どもたちに贈りたいと考えた」とその背景を発表会で語っている。

 岡山県備前市や長崎県島原市では、行政が新小学生にわんパックを配布している。子育て家庭の負担を軽くするのが狙いだという。

 21年6月に沖縄県が発表した未就学児調査によると、「学用品やランドセルの購入費用が不足しそう」と回答した保護者の割合は全体の21.8%だった。

 物価高で生活が苦しいと感じる人が増える中、より安価なランドセルの需要は高まる可能性がある。

モンベルの「わんパック」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.