小学生のランドセルが重くなっているという問題を受け、牛革や人工皮革ではない新型の通学バックを開発する動きが加速している。各企業の狙いやその背景を探った。
小学校で取り扱う教科書のページ数は増加傾向にある。業界団体である教科書協会の資料によると、2005年度には全教科(1〜6年合計、各社平均)で4857ページだったが、20年度には8520ページまで増加している。ページ数が増えた背景にあるのは、新しく道徳や英語が教科として加わったことなどがある。同資料では、分かりやすさやユニバーサルデザインを追求した結果、教科書の大判化も進んでいるとしている。
水泳用品など手掛けるフットマーク(東京都墨田区)が小学1〜3年生とその保護者1200組を対象に22年10月に実施した調査によると、荷物が入ったランドセルの平均的な重さは4.28キロで、21年の調査と比較して0.31キロ増えた。
ICT教育が推進されたり、コロナ禍で登校できないシーンが増えたりしたこともあり、タブレット・ノートPCが支給されるようになった。感染予防のため、水筒を持参するように呼び掛けている学校も増えた。また、同調査によると置き勉が禁止されている小学生は約4割だった。こうしたことが、問題の背景にある。
一般的なランドセル本体の重さは1100〜1300グラムとされている。牛革が1200〜1400グラムで、人口皮革が1000〜1200グラムといった具合だ。
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