旅行需要に沸くホテル業界 コロナ禍前後で稼働率や客室単価はどう変化? 東京商工リサーチが調査(1/2 ページ)

» 2024年05月04日 05時00分 公開

 コロナ禍明けの需要回復により、ホテル業界が好況だ。東京商工リサーチが調査結果を発表し、ホテルを運営している上場13社の客室単価と稼働率が、インバウンド需要の高いエリアを中心に、コロナ禍前を上回った。2021年と比較すると、単価は平均69.2%上昇し、最高を更新したホテルも相次いでいる。

photo ホテル需要が急回復している(提供:写真AC)

 2023年10〜12月期と前年同期で比較可能な13社・15ブランドで、客室単価が上昇。上昇幅では「20〜50%未満」(9ブランド)に最も回答が集まった。続いて「50〜70%未満」「20%未満」が各3ブランドだった。最も上昇したのは、阪急阪神ホールディングスが運営する「阪神阪急ホテルズ」(56.1%)。

photo 2022年同期比 客室単価値上げ率別(出所:プレスリリース、以下同)

 コロナ禍前の2019年10〜12月期と2023年同期までの5年間で客室単価を見ると、比較可能な12ブランド中、11ブランドで客室単価が上昇した。「20%以上」(7ブランド)という回答が最も多く、次いで「10〜20%未満」(3ブランド)、「5%未満」(1ブランド)となった。「東急ステイ」(東急不動産ホールディングス)が41.8%で、最も上昇した。

photo 2019年同期比 客室単価値上げ率別

 2019年の10〜12月期から2023年同期までの稼働率・客室単価を比較すると、稼働率は2020年が58.0%で最も低く、客室単価では2021年が6794円で最安値だった。2023年は5月に新型コロナウイルス感染症の5類移行があり、旅行や出張などの国内需要が回復。客室単価は1万2339円で、2019年の9587円を2752円(28.7%)上回った。

photo ビジネスホテルの稼働率と客室単価(10〜12月)
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