原宿は若者と文化を取り戻せるか 新ランドマーク「ハラカド」に足を運んで分かったこと長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/7 ページ)

» 2024年05月05日 06時50分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

人気の銭湯「小杉湯」が出店

 ハラカドの全テナント中、最もユニークといえるのは、地下1階にある銭湯「小杉湯原宿」だろう。東京・高円寺にある小杉湯は、戦前の1933年に創業した老舗の銭湯で、建物は国登録有形文化財に登録されている。

ハラカドの地下にある銭湯「小杉湯原宿」(出所:プレスリリース)

 3代目の平松祐介氏は、ベンチャー企業の経営などを経て2019年に家業を継ぎ、銭湯から街作り、モノ作り、コト作りを発信する「銭湯ぐらし」のプロジェクトを立ち上げた。隣接地には、会員制シェアスペース「小杉湯となり」をオープンするなど、近年における銭湯復活の流れの中心人物の1人となっている。

小杉湯代表、平松祐介氏(出所:プレスリリース)

 小杉湯原宿の広さは高円寺とほぼ同じで、高円寺と同様に「ミルク風呂」を用意。熱湯と水風呂を交互に入る「温冷交互浴」を楽しめるようにした。サウナは設置していない。利用料金は通常の銭湯と同じ、520円(大人)。ただし、5月12日までのプレオープンでは渋谷区神宮前1〜6丁目の住民または勤務者のみに開放している。

小杉湯原宿

 小杉湯原宿では、原宿の地に銭湯を復活させるだけでなく、銭湯を利用しない人でも自由に入れる、銭湯前の「チカイチ」と称するスペースで、美容家電のお試し、生ビールの提供を行う。畳などの休憩スペースを広く取り、人々が休憩できるだけでなく、イベントも開催する。

銭湯に入らなくても無料で使える休憩所、チカイチ
チカイチでは、湯上がりに生ビールが楽しめるようにした

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