アパレル大手のしまむらが、AIモデル「瑠菜(るな)」を販促のためにポスター、チラシ、SNSで活用している。その狙いについて、同社の広報担当者に聞いた。
AIモデルとは、AI技術で生成した企業専属のファッションモデルやタレントを指す。2023年には伊藤園のテレビCMに登場したAIモデルが「まるで本物の人間のようだ」と話題になった。
ファッションセンターしまむらの販促に起用したAIモデルの名前は「瑠菜(るな)」だ。具体的なプロフィールは「20歳の服飾専門学生」「家族構成は父・母・姉」「将来の夢はファッションモデル」「かわいいものを見つけることが特技」「家族にコーディネートを披露するのが趣味」としている。
5月23日オープンのファッションセンターしまむら下高井戸店(東京都杉並区)アピールのため、ポスターやチラシに初めて登場。現在は、Instagramで情報発信をしている。
瑠菜のInstagramを閲覧すると、フォロワーが約6400人おり、21件の投稿をしているのが確認できた(6月17日午前11時時点)。衣料品だけでなく、自身が好きだというコスメや雑貨も紹介している。「この巻きスカートめっちゃ可愛くない?」「新しい服たくさんゲットできてうれしい」といったように、まるで本物の人間のようなコメントも。基本的にビジュアルや投稿は若年層から支持されるようなものを意識している。
なぜ、しまむらは瑠菜を起用したのか。瑠菜はそのプロフィールや投稿内容から分かる通り、10〜20代のファン層拡大のために活動している。一方、ターゲットとしている若年層は新聞購読率が低いので、現状の主たる販促である折込チラシでは情報を届けにくいという課題があった。若年層向けにSNSでの情報発信をどう強化していくのかという議論の中で、AIモデルの起用が決まったという。
人間ではなくAIモデルを活用するメリットについては「人間のモデルとは異なりスケジュール調整や撮影に時間がかからない」「移り変わりの早いファッショントレンドへの対応」を挙げている。
しまむらが起用する瑠菜は、今後どこまで活動の幅を広げていくのか。
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