AIがあらゆる業界を変えつつある。企業経営者と買い物客の双方にとって、AIが小売業界を完全に再構築する力を持っているのは驚くべきことではない。
日常業務の効率化から、在庫の追跡、従業員の感情調査、よりよい顧客サービスまで、AIツールはあらゆる規模の小売企業に、少ないリソースでよりスマートに働く力を与えている。
SalesforceグループであるSlackのWorkforce Labの最新の調査(注1)によると、デスクワーカーは「価値が低く、反復的で、本来の職務に有意義な貢献がない」タスクに時間の41%を費やしているという。
(注1)「仕事のための仕事」からの脱却――Slack の最新調査で AI 利用の加速が明らかに(Slack)
AIや自動化ツールの活用により、彼らのエネルギーを単純作業から、より価値の高い活動へと集中させることができる場合がある。実際のところ、職場におけるAIツールの使用率は前四半期に24%上昇し、AIを使用している人のうち80%が、すでに生産性が向上していると回答している。
AIの導入による時間とコストの節約に多くの企業が期待を寄せる一方で、AIをどのように導入すればよいのか分からないという企業も少なくない。そこで、私たちSlackは、AIや自動化ツールを、従業員と顧客の双方にシームレスに導入する方法について、実践的なアドバイスを提供するクイックスタートガイドを作成した。AI活用のヒントとしてぜひ活用してほしい。
AIが小売業に与える影響は無限に広がる可能性を持つが、まずは小さなことから始めてみよう。データの記録や、冗長なスタンドアップミーティングへの出席など、時間のかかる日常業務を効率化、または削減できる箇所について考えてみてほしい。
AIを導入する最善の方法を見極めるには、最も影響を受ける人々から始めるべきだ。関連するチームに、AIが日常業務をどのように改善するかについて尋ねよう。例として「在庫管理を簡素化したら役立つだろうか」や「注文プロセスを簡略化できると思うか」などの議論をしよう。
請求書作成、出荷追跡、予測、プロジェクト管理などの業務はAIによって改善できるが、それがチームに影響を与えないのであれば、変化につながらない。AIに関する従業員の意見を収集するためにも、AIを活用できる。Slackチャンネルや会話に簡単な質問をするためのシンプルなアンケート(注2)を追加しよう。
(注2)Simple Poll(Slack)
社内のアップグレードを検討したら、顧客の体験に焦点を移そう。AIを活用することで、より迅速な問題解決、注文状況の可視化、よりシームレスなオンボーディングが可能になる。AIは、パーソナライズされた商品紹介から顧客ニーズの予測、エンゲージメント向上のための会話履歴の追跡、解約防止のためのデータ分析に至るまで、顧客のカスタマージャーニーの実質的なあらゆるプロセスに接触し、最適化できる。
これらは理想的なものに聞こえるが、実際に、日常業務のフローにAIを効果的に導入するための具体例には、どのようなものがあるのだろうか。
SlackのノーコードのWorkflow Builder(注3)は、自動化を活用して、チームの時間と労力を節約する方法について、無限の選択肢を提供する。簡単に言えば、ワークフローは、Slackチャンネルに接続されたカスタムステップとアクションの連続によって構築されている(注4)。
(注3)自社に合った方法で、仕事をもっと効率化(Slack)
(注4)Slack でアプリとワークフローを使用する 5 つの方法(Slack)
この自動化ツールを活用することで、誰もがSlackによる自動化の恩恵を得られる。これまでに、20億近くのワークフローがコードを一行も書かずに構築されており、ワークフローを構築する人の80%は技術的なバックグラウンドを持っていない。
例えば、製品情報やカスタマイズサービスに関する簡単なリクエストを処理するタスクを考えてみよう。実際の作業が始まる前に、おそらくいくつかのやりとりが必要だ。
Slackのリクエストワークフローを使用すると、チャンネルに入力フォームを添付して、チームメンバーが助けを求めたり、フィードバックを共有したりする方法を標準化できる。「概要書はあるだろうか」や「このために予算を確保できるかどうか」などといちいち確認する必要はない。フォームに記入されていれば、同僚はリクエストを進めるために必要なものを知ることができる。完成したフォームは自動的にチャンネルに投稿され、絵文字を使ってチームの誰がそのフォームを確認したかを知らせることもできる(注5)。それ以降の会話は、整理されたスレッドで調整できる(注6)。
(注5)絵文字と絵文字リアクションを使う(Slack)
(注6)スレッドを使用して会話を整理する(Slack)
プロジェクトに参加したり、チームを変更したり、新入社員として入社したりする際に、人々の業務参加をスピードアップさせるというオンボーディングの課題に関しても、AIは大きな可能性を秘めている。これまでは、プロジェクトリーダーを特定し、関連するコンテキストを提供するために、時間をかけて文書を探し出し、具体的な質問をする必要があった。しかし現在は、最大の効率を得るために、自動化とエンゲージメントの両方を活用できるようになった。
例えば、SlackのWorkflow Builderを活用すると、人々がチャンネルに参加するたびに、必要なリソースを自動的に送ることができ、他のメンバーに質問する必要がなくなる。さらに、新入社員に対して、経歴などの簡単な情報をフォームに記入するよう促すこともできる(注7)。記入されたフォームは、指定されたウェルカムチャンネルに投稿され、そこで誰もが新入社員を知ることができる。
(注7)会話 : Slack で新入社員を歓迎する(Slack)
小売業界では、迅速に行動することが成功への近道だ。生産性を高め、ビジネスを前進させるために、収集したデータを安全に抽出するときに生成AIが役に立つ。収集したデータとは、例えば、Slackのチャンネルに蓄積されたナレッジだ。
ある社員がベンダーとの契約更新で一刻を争う状況にあるとする。このような状況では、長い文書を丹念に確認したり、社員同士で数え切れないほどの質問をし合ったりすることになる。こうした手間を省くために、新しいSlack AI(注8)の検索回答機能を使用して「契約の最新情報は何ですか?」と尋ねることができ、他のメンバーに頼らずに必要な情報を即座に得ることができる。
(注8)Slack AI が登場(Slack)
あるいは、チームメイトが休暇から復帰するかもしれない。数え切れないほどのスレッドやメール、会議のメモをかき集める代わりに、見逃した情報をAIが素早く要約してくれる。例えば、Slack AIの会話要約を利用すれば、チャンネルやスレッドから重要なハイライトをワンクリックで生成できる。数日かけて会話のキャッチアップをするよりも、すぐに戻って前回の続きから始めることができる。
スモールスタートで始めて、SlackのWorkflow Builderのような使いやすいノーコードツールを従業員に提供することで、チームは自信を持って自動化の世界に飛び込むことができる。一度、AIをワークフローやプロセスに導入し始めると、従業員や顧客にとってこれまでとの違いを感じられるはずだ。
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