各総合商社を退職した元社員の「退職検討理由」に多く寄せられていたのが「成長スピード」に関する内容でした。
近年、働き方改革に力を入れ、中途採用の人数を増やすなど、旧来型の日本企業からの脱却を図っている総合商社ですが、終身雇用を前提とした育成スタイルが根強く残っていることが社員クチコミからもうかがえます。
今や転職を見据えて就職活動を行う学生は半数以上というデータもあります。総合商社に限らず、優秀な人材に長く活躍してもらうには、若手のうちから裁量を持って働けるといった、成長を実感できる機会を早期から用意する必要があるといえます。クチコミをいくつかご紹介します。
「スタートアップで裁量権をもち、よりスピード感のある環境で実力を試してみたかったから。長期的なキャリア醸成の場としては素晴らしいと感じているが、自身が将来的にはテックスタートアップを経営したい思いがあり、それを踏まえると足元10年弱で得られるスキルセットが必ずしもそこに直結しないように感じ、であればと早い時期に退職を選択した」(コーポレート、男性、三井物産)
「昇進速度が遅かったことが原因。優秀であれば比較的チャンスは与えてもらえる風土ではあるが、一般の日本企業比での話。同級生が外資コンサルなどで活躍していて、焦りが大きくなった」(基幹職、男性、住友商事)
「個人としてのマーケットバリューを考えたときに成長機会、速度が不十分と感じたため」(営業、男性、伊藤忠商事)
「成長が実感しづらいため。年功序列で見ると、自分に決裁権限が来るのはだいぶ先。もう少し早いテンポでできることを増やしていきたいが、ここだと少し時間がかかってしまう」(総合職、男性、丸紅)
また、成長スピードと併せて自主的なキャリア開発が難しい点を挙げる声も見られました。総合職ゆえの、いわゆる「配属ガチャ」で自分の希望ではない業務や分野に配属になった際に、社内でのキャリアチェンジの難しさから他社への転職を考えるようです。
「キャリアの自主的な開発が難しい点。自分で携わる業種や働く場所を選ぶことは難しく、かなり運の要素による。新卒入社の業界から抜け出すのは至難の業」(総合職、男性、三菱商事)
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