トヨタ・ホンダ・日産、サプライチェーンの価格転嫁が最も進んでいるのは? 「全てできている」はわずか3.9%(1/2 ページ)

» 2024年05月29日 05時00分 公開
[秋月かほITmedia]

 国内産業の大黒柱といえる自動車産業。帝国データバンクが調査結果を発表し、国内自動車メーカー8社に関連するサプライチェーン企業は、2024年5月時点で推計5万9193社あると分かった。また、同産業で発生する取引総額は同41兆9970億円にのぼり、2023年度の国内名目GDP(597.1兆円)の約1割を占めている。

photo 「自動車業界」サプライチェーン動向調査を実施(出所:写真AC)

 最も国内サプライチェーン企業が多いメーカーは「トヨタ自動車」(3万9113社)。取引階層(Tier)別にみると、直接取引を行う「Tier1」は2091社、Tier1と取引を行う「Tier2」は1万7989社、「Tier3」は1万5659社で、総取引額は推計約20兆円だった。

 次いで国内サプライチェーン企業が多いメーカーは「本田技研工業」(1万8880社)で、総取引額は推計約4.7兆円。3位は「日産自動車」で、国内サプライチェーンの企業数は1万5905社、総取引額は推計約4.6兆円だった。

photo 自動車メーカー別 サプライチェーン企業数・総取引額(出所:プレスリリース、以下同)

 価格転嫁について、2月時点で自社の主な商品・サービスで、コスト上昇分を販売価格やサービス価格に「(多少なりとも)転嫁できている」と回答したサプライチェーン企業は80.7%だった。一方で「全て価格転嫁できている」と回答した企業はわずか3.9%にとどまり、転嫁できている金額について最も回答が集まったのは「2割未満」(23.2%)だった。

photo 自動車サプライチェーンの価格転嫁動向
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